ジュニアくらぶでは観察ゾーン「エリア51」に生えていたヒメコウゾを利用して、毎年3月の最後の定例会の時に紙すき体験をしてきました。 ユネスコ無形文化遺産に登録された「和紙」の原料はコウゾです。自然に生えているヒメコウゾはその原種といわれています。普通なら邪魔な雑木として除かれてしまうヒメコウゾ、ただ伐採するのではなく、和紙づくりの体験に利用しようと始めたのが15年ほど前。“資源活用”の一環です。 文化遺産とはちょっと違ってワイルドなジュニアくらぶの紙漉きは、ヒメコウゾの幹を煮出したものの樹皮をむくことからはじまります。むけたら一番外側の黒皮をはがしカンピョウみたいな「白皮」の状態にして叩きます。叩いて叩いて繊維をバラバラに細かくします。繊維が細かくなったら水に溶かしてハガキ大の紙漉き器に流し込みます。「溜め漉き」でコウゾ紙ができました。 欧米などの紙づくりは「ため漉き」が主流だそうです。無形文化遺産の和紙の「流し漉き」は難しいけれどこの溜め漉きならカンタンですね。 このプロセスは叩きが重要。かなり細かく繊維がほどけないと和紙の域には近づけませんが、みんな一心不乱に叩きまくってはみるものの力及ばず。 やむなくフードプロセッサーの力を少し借りました。でも漉いてみると長めの繊維が絡み合っていい味を出してくれました。「味があるね」の声があちらこちらから聞こえます。うすーく整った和紙にはない得も言われぬ「味のある」手漉きの和紙ハガキが何枚も漉き上がりました。 こども達も「アジ」という言葉を体感できた様子。水をいっぱい使う作業は少し冷たかったかもしれないけれど、それを上回る面白さがあったようです。 小学校6年とともにジュニアくらぶも卒業するお友だちには手漉き紙による「修了証」をお渡ししています。 今年は1名が卒業しました。中学以降もジュニアくらぶで得た技能や知識を活かして活躍してほしいですね。 |

説明をしっかりきき、まずはコウゾのかわむき

次にコウゾをたたき割る

ブ~ン。ミキサーでこまかくしてます。

まずお手本をよく見てから・・・さあ、自分でやってみよう!
